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2008年1月1日火曜日

08年 続・婚礼業界と婚礼媒体 3 | 株式会社CDM

★過去のCDMレポートはこちら→ http://www.wearecdm.jp/report/

Ⅱ.「混迷期」に誕生する新市場とは?

-1) WEB媒体が新しい情報の流通経路になり新市場が生まれる
 前項では「現代結婚式の混迷期」とは資本力に依存しなくとも新しい市場が誕生する時期だと述べました。また新しい商品やサービスの可能性を感じる4つの例を告知案とともに仮説として提示しました。


  • 大手が参入しない年間数十組の市場
  • 既存の結婚式に消極的な層を対象にした市場
  • これまで対象として捉えきれなかった結婚式に消極的な層
  • オプション商品の告知により既存商品へ誘導可能な層

 いずれも雑誌媒体では雑誌の持つブランドイメージや広告コストの面で告知することが困難だった潜在的な市場です。これらの潜在市場が誕生、拡大するためには、提供企業から顧客であるカップルへの新しい告知手段(情報の流通経路)が必要です。その新しい告知手段こそがWEB媒体だと考えています。上記の4つの例について具体例を挙げて考察したいと思います。


-2) 新しい婚礼市場とWEB媒体について

イ)大手が参入しない年間数十組の市場
「ドバイ」「カイロ」「済州島」「首都圏から京都」「首都圏から神戸」などのリゾートエリア。 自宅やマンションの一室で営む「オーダードレス」「オーダージュエリー」「オーダーブーケ」。 引出物や引き菓子業界では地方の名産や特産、小さな町だけで有名な商品など。

ロ)既存の結婚式に消極的な層を対象にした市場
「写真だけ婚」「入籍だけ婚」「新婚旅行だけ」「両家の会食だけ」「友人中心の二次会だけ」など。安価で簡素で短期間の準備で可能な「安・簡・短な結婚式スタイル」。「ドレスショップでの写真プラン」「神社での和装写真プラン」「ロケーション撮影プラン」など。主に衣装・写真・旅行代理店を営む企業の新たな切り口商品など。

ハ)これまで対象として捉えきれなかった結婚式に消極的な層
「再婚時の結婚式」「結婚10年目の初結婚式」など。書店では購入しづらいために雑誌媒体では取り込めない結婚式を検討している層。またそれに伴い引出物では「グアム旅行クーポン」「歌舞伎観劇クーポン」「TDLパスポート」など少人数だからこそ都合のつく形のないサービス商品など。

ニ)オプション商品の告知で既存商品へ誘導可能な層
「写真だけ婚→家族会食プラン→既存の披露宴」「家族会食&友人中心1.5次会→既存の披露宴」など。冷静に説明を受ければ既存の結婚式が合理的なことが理解できたり、説明を受けるに従い結婚式が楽しくなるケースを上記イ)やロ)の切り口で告知、集客など。

 例えば、ハ)のケースはポータル型(雑誌連動型)のWEB媒体で告知・集客することは困難です。逆にイ)のケースでは、まだ一般のカップルには認知のない商品ですので、検索エンジンにキーワードを入力することが考えにくく、配信型のWEB媒体で告知・集客することは困難です。

 WEB媒体の特徴にあわせて商品やサービスを告知することが重要ですが、これらは提供者と媒体がピタリと息を合わせて世に出すことができれば、今後間違いなく新しい市場として婚礼業界に新風を吹き込むことになると推測しています。

2007年12月25日火曜日

08年 続・婚礼業界と婚礼媒体 2 | 株式会社CDM

★過去のCDMレポートはこちら→ http://www.wearecdm.jp/report/

Ⅰ.婚礼業界の「混迷期」とは?

-1) 鍵を握るWEB広告
 何がどのように変わるのか?これまで多様化してきた婚礼業界において鍵を握るのはWEB広告です。まずはWEB媒体を運営母体のタイプ別に整理します。

 イ)ポータル型広告(雑誌連動型)
 『ゼクシィnet』『BRIDES WEDDING net』『けっこんぴあnet』『OZ-mall』『WEDDING HILLS』 ・・・
 書店を窓口にしたリアル世界への訴求効果は絶大である。ただし、WEB媒体の対象顧客は小規模市場。雑誌媒体の対象顧客(広告売上)が足枷になりWEB媒体へのドライブはかかりにくい。

 ロ)ポータル型広告(WEB専業型)
 『WeddingWalker』『WeddingPark』『ぐるなびウエディング』 ・・・
 雑誌媒体が取り込めない小規模市場もWEB媒体では告知の切り口次第で無限の可能性を持つ。ただし、リアル世界への訴求方法と対象市場の絞込みが課題。

 ハ)配信型広告
 『AdWords』『Overture』 ・・・
 費用効率が計算できる点では「クリック数」を基準とした「新婚礼エージェント」とも言える。現状では数社の企業がたいへん上手に活用している。ただし、今後多くの結婚式場が参画してくるとキーワードの選定や組み合わせに専門的な知識が必要になる。雑誌媒体のように投下量を増やすだけでは逆に費用効率が悪くなる可能性も考えられる。

-2) 婚礼業界におけるWEB広告の特徴
 ポータル型広告は雑誌広告の延長にあり理解しやすいタイプです。スペースを買うという考え方が一般的でその大きさや露出される場所、期間によって料金が決まっています。
 また雑誌連動型は、雑誌媒体のイメージやブランドをそのままWEBでも利用していますので、WEBサイトに集まるカップルは結婚式を実施することが前提で、かつ「挙式と披露宴」という既存の結婚式スタイルをイメージしているカップルが大半を占めるという特徴があります。
 一方WEB専業型は、『WeddingWalker』が「拡散期」に入ったきっかけを作ったように同じポータル型広告でも、「披露宴はせずに挙式だけで十分」「写真だけ残しておきたい」などの結婚式に消極的なカップルや、何らかの事情で既存の結婚式スタイルを避けたいカップルを取り込んでいることが特徴です。これはイメージやブランドを持たずにスタートできた点に要因があります。

 配信型広告は広告コピーに含まれるキーワードを購入するスタイルです。クリックされた回数と露出位置によって料金が決まります。露出位置はよりクリックされやすい場所ほど高く、その料金は競売形式で決定することが一般的です。広告はその内容と関連性の高いサイトを自動的に抽出した上で表示したり、検索エンジンの結果に連動して表示されるため、あらゆるタイプのカップルに伝達する可能性を持っています。費用効率がよいといわれるのはこの点です。
 「結婚式」というキーワードは競争が高く料金も高くなります。逆に「海外挙式」というキーワードは競争が少ない分料金も安くなります。「フォトウエディング」というまだ一般化していないキーワードだと更に競争が少なく料金も更に安く済みます。
 ここで理解していただけると思いますが、配信型広告は圧倒的に小規模事業者に有利な特徴を備えていることが大きな特徴なのです。

-3) 「混迷期」とは・・
 小規模事業者に有利な特徴を備える媒体ということは、どこでどんなサービスが支持されているかが把握しづらい状況を生む媒体ということを意味します。たとえどんなに小さな事業でも、そのような市場が100も200も誕生すれば、既存の婚礼業界はたちまちシェアが下がっていくと予測できます。逆にこれまで低単価商品を扱う婚礼業界は積極的に広告宣伝をする機会を得たことになります。今まで私たちが考えもしなかった商品やサービスが誕生することになるでしょう。それは1~2バンケで新市場をこじ開けたかつてのレストランウエディングやハウスウエディングが証明しています。
 今後考えられる小さな新市場の例を告知手法とともに仮説としてあげてみます。

 仮説)
 既存商品(告知)+新市場の獲得で、海外挙式売上が今後数年で倍増する
 その告知手法)
 セレブ気分の「ドバイウエディング」。ピラミッドで愛を誓う「カイロウエディング」
  →大手が参入しない年間数十組の市場
 旅行と写真だけはしておきたいカップル向け「ハネムーン&フォトウエディング」
  →既存の結婚式に消極的な層を対象にした市場
 再婚カップル向け「再婚の誓いこそ恋人岬を望むチャペルで」
  →これまで対象として捉えきれなかった結婚式に消極的な層
 親に白無垢姿を。「出発前・帰国後 和装フォトウエディング」
  → オプション商品の告知で既存商品へ誘導可能な層
 ※あくまでもアイデアレベルで実現可能かどうかは度外視しています 。

 など、年間数十組を狙える市場を掘り起こしたり、カップルの嗜好を「海外挙式」という一言に留めるのではなく、更に一歩深い切り口のキーワードを配信していけば、様々な小規模市場が生まれると考えています。

 では既存の婚礼業界の将来がが暗澹たる世界なのかといえばそれは違います。1つの商品の良さを様々な切り口でカップルに訴求することができればWEB広告を有効に活用できると考えます。
 例えば、披露宴集客では平均的な60名のパーティを想定してそれだけを大量に告知するのではなく、数は少なくとも100名以上や30名以下のパーティを細かく定義付け、更に配信型広告に対応できるようにキーワードに変換する。30名以下の披露宴は「親族会食」「写真だけの結婚式」など。本来受注したい商品までの入り口と考えてキーワードを選定すれば既存のカップル以外の売上を伸ばすことが可能になると考えています。

 「混迷期」とは、資本力に依存しなくとも新しい市場が誕生する時期だと考えます。

2007年12月24日月曜日

08年 続・婚礼業界と婚礼媒体 1 | 株式会社CDM

★過去のCDMレポートはこちら→ http://www.wearecdm.jp/report/

 はじめに

 今私は、私自身が経験する婚礼業界と婚礼媒体の三度目の転換期の真っ只中に立っていると考えています。 そしてこのレポートは今回の転換期を千載一遇の商機と考える婚礼業界の方々へ向けて、どのようなチャンスがあるのかを整理したいと考えています。

 そもそも結婚式は家で挙げることが通例でした。挙式と披露宴を一対とした現在の結婚式スタイルが始まったのは、日本人ではじめて大正天皇が神前式を挙げた1900年以降です。結婚式ビジネスの原点がここにあると考え、このレポートでは商業化した結婚式を「現代結婚式」と定義付けたいと思います。更に大正天皇の結婚式も、大正時代に帝国ホテルが始めて挙式と披露宴をホテルに取り入れたことも、昭和30年代以降に結婚式の商業化が劇的に発展したことも全てをひとまとめにして、「現代結婚式の黎明期」と定義したいと思います。

 婚礼媒体の視点から「現代結婚式の黎明期」を考えると、ホテルウエディングも結婚式場でのウエディングも両者とも、「ある関係性を共有する人々の中での口コミからマスメディア(ただし狭域地域限定)へ移行したことで商業化が進展した時代」だと考えます。日本(というか都市部に)にホテルが量産されるのは昭和39年の東京五輪がきっかけです。それ以前は一部の特定の層しかホテルを利用できなかったということです。互助会も仕出し屋を含めた飲食店も、土地土地に存在する地域コミュニティ内だけの存在でした。つまり「現代結婚式の黎明期」の婚礼媒体は、地域コミュニティ内における口コミからマスメディアへの移行期であり、現代結婚式史上初めて媒体(メディア)が誕生した時代だといえます。

 次に大きく転換するのが、婚礼エージェントの誕生から衰退までの期間だと考えます。日本全国に現代結婚式が本格的に拡大していく「成長期」と定義したいと思います。親類縁者を招待し挙式と披露宴を開催するという現代結婚式のスタンダードが日本に定着した時代です。その意味では婚礼エージェントの役割は大変大きいものだったと思います。また、結婚式場探しのための雑誌媒体が誕生した時代でもあります。

 そして『ゼクシィ』創刊以降、『WeddingWalker』サービス開始までの期間を「拡大期」、それ以降を「拡散期」としたいと思います。「拡大期」にはレストランウエディングやハウスウエディングが急成長した反面、それまで成長を続けてきたホテルや結婚式場での結婚式の実施シェアは頂点から右肩下がりの曲線に移行しました。雑誌媒体が様々な出版社から創刊され全国の書店に行き渡った全盛期でもあり、これにより婚礼エージェントが衰退しました。「拡散期」にはWEB媒体の登場で集客のための広告コストが下がったことやカップルが主体的に自らの体験を不特定多数に発信できるようになり、「10万円以下挙式場」や「60名以下の結婚式」などの小規模市場がたくさん誕生しました。

 今回のレポートはその後の予測を中心に展開したいと考えています。

※「現代結婚式の成長期、拡大期、拡散期」については「婚礼業界と婚礼媒体」http://wearecdm.blogspot.com/2007/12/blog-post.html を参照ください。
レポート「婚礼業界と婚礼媒体」を最初に書いたのは06年2月。その後何度かの修正を加え現在のレポートに至る。

 2005年3月 『Overture』のサービス開始以降
 再婚・結婚式消極派カップルを巻き込んだ競争時代への転換期

 後の時代からこの時代を振り返ると「現代結婚式の拡散期」に含まれるかもしれませんが、婚礼業界の実態がより混沌(どの結婚式場が何組実施しているのかが把握しにくい)とした時代への移行という点と、同じように婚礼媒体の実態も混沌(どの結婚式場が何の媒体にどのくらいコストをかけているかが把握しにくい)とした時代へ移行しているという点で、前時代とは全く異質な時代と考え一線を置きたいと思います。

 『Overture』や『Adwords』は配信型の広告手法(他の多くのサイトを媒体にして告知)で、これまでのポータル型の広告手法(特定の集客力のあるサイトに告知)と違い、どこでどのようなサービスや業態がカップルに支持されているのかが掴みにくいのが特徴です。成功事例がなかなか表面化しないのです。

 これからの数年を「混迷期」と呼びたいと思います。

 現代結婚式…商業結婚式のはじまり以降

 黎明期・・・ 大正天皇の結婚式以降 。婚礼媒体の誕生
 成長期・・・ 婚礼エージェントのサービス開始以降
 拡大期・・・ 『ゼクシィ』創刊以降
 拡散期・・・ 『WeddingWalker』サービス開始以降
 混迷期・・・ 『Overture』サービス開始以降