Ⅱ.「混迷期」に誕生する新市場とは?
-1) WEB媒体が新しい情報の流通経路になり新市場が生まれる
前項では「現代結婚式の混迷期」とは資本力に依存しなくとも新しい市場が誕生する時期だと述べました。また新しい商品やサービスの可能性を感じる4つの例を告知案とともに仮説として提示しました。
- 大手が参入しない年間数十組の市場
- 既存の結婚式に消極的な層を対象にした市場
- これまで対象として捉えきれなかった結婚式に消極的な層
- オプション商品の告知により既存商品へ誘導可能な層
いずれも雑誌媒体では雑誌の持つブランドイメージや広告コストの面で告知することが困難だった潜在的な市場です。これらの潜在市場が誕生、拡大するためには、提供企業から顧客であるカップルへの新しい告知手段(情報の流通経路)が必要です。その新しい告知手段こそがWEB媒体だと考えています。上記の4つの例について具体例を挙げて考察したいと思います。
-2) 新しい婚礼市場とWEB媒体について
イ)大手が参入しない年間数十組の市場
「ドバイ」「カイロ」「済州島」「首都圏から京都」「首都圏から神戸」などのリゾートエリア。 自宅やマンションの一室で営む「オーダードレス」「オーダージュエリー」「オーダーブーケ」。 引出物や引き菓子業界では地方の名産や特産、小さな町だけで有名な商品など。
ロ)既存の結婚式に消極的な層を対象にした市場
「写真だけ婚」「入籍だけ婚」「新婚旅行だけ」「両家の会食だけ」「友人中心の二次会だけ」など。安価で簡素で短期間の準備で可能な「安・簡・短な結婚式スタイル」。「ドレスショップでの写真プラン」「神社での和装写真プラン」「ロケーション撮影プラン」など。主に衣装・写真・旅行代理店を営む企業の新たな切り口商品など。
ハ)これまで対象として捉えきれなかった結婚式に消極的な層
「再婚時の結婚式」「結婚10年目の初結婚式」など。書店では購入しづらいために雑誌媒体では取り込めない結婚式を検討している層。またそれに伴い引出物では「グアム旅行クーポン」「歌舞伎観劇クーポン」「TDLパスポート」など少人数だからこそ都合のつく形のないサービス商品など。
ニ)オプション商品の告知で既存商品へ誘導可能な層
「写真だけ婚→家族会食プラン→既存の披露宴」「家族会食&友人中心1.5次会→既存の披露宴」など。冷静に説明を受ければ既存の結婚式が合理的なことが理解できたり、説明を受けるに従い結婚式が楽しくなるケースを上記イ)やロ)の切り口で告知、集客など。
例えば、ハ)のケースはポータル型(雑誌連動型)のWEB媒体で告知・集客することは困難です。逆にイ)のケースでは、まだ一般のカップルには認知のない商品ですので、検索エンジンにキーワードを入力することが考えにくく、配信型のWEB媒体で告知・集客することは困難です。
WEB媒体の特徴にあわせて商品やサービスを告知することが重要ですが、これらは提供者と媒体がピタリと息を合わせて世に出すことができれば、今後間違いなく新しい市場として婚礼業界に新風を吹き込むことになると推測しています。
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