2012年12月9日日曜日

[CDM] スマホ版『zebra』の功罪

■『zebra スマートHP ビルダー』とは?
カップルがスマホ(またはタブレット)を使って『Yahoo!』『Google』で検索したケースをイメージして下さい。その際の検索結果をクリックしたリンク先が、会場サイトではなく『ゼクシィ net』(*注)にリンクされるというサービスです。

(*注)...もしくはそれに近い『ゼクシィ net』が管理する会場ページにリンク

検索エンジンで、公式サイトのURLをクリックすると『ゼクシィ net』にリンクするようなものです。これに申し込んでしまうと、スマホを見るカップルには公式サイトを見てもらうことができなくなってしまいます。

公式サイトの制作やリスティング広告、SEOなど、公式サイトへの集客のために投下した費用の何割(*注)かが、『ゼクシィ net』がカップルを集客するための費用として転用される仕組みとも考えられます。

『ゼクシィ』の立場からすれば、会場が公式サイトのために投下したコストを活用して、『ゼクシィ net』への訪問数を増やそうという施策と考えても間違いではありません。

もちろん、来館予約などがあった場合には”『ゼクシィ net』からの来館予約”として、『ゼクシィ』から報告されることになります。

(*注)...現状では30%前後。2年後以降は50%以上。...弊社の顧客実績より推測



■『zebra スマートHP ビルダー』 参画メリットは?
今回の制作及び運用費用は2015年4月以降に何らかの形で『ゼクシィ』へ支払うという申込書になっています。要するに、自社のスマホ対応サイトの制作費を将来に先送りさせることが可能で、その点がメリットと言えます。

ただし、あくまでも「先送りできる」というメリットですので、2年後以降永続的に支払い続けることを考えれば自社で制作したほうがはるかに格安になるケースが多いと思います。

その他に考えられるメリットとしては、広告担当者はWEB集客業務のほとんどを『ゼクシィ』に丸投げできますので、その業務内容は簡素化されてアルバイトでもできる仕事となり、人件費を下げられるというメリットが考えられます。

■『zebra スマートHP ビルダー』 参画デメリットは?
現状でもスマホやタブレット経由の公式サイトへの流入は多い会場で40%近くあり、あと2年もすれば確実に50%を超えると予想しています。 *エージェントやプロデュース会社の場合はすでに60%を超えている企業もあります。

今回の『zebra スマートHP ビルダー』に申し込んでしまえば、現状で30%前後、2年後には50%以上の公式サイトへの流入が、記録としては『ゼクシィ net』からの経由に置き換えられることになります。

どれほどSEOに投下しても、どれほどリスティング広告に投下しても、「『ゼクシィ net』からの流入」という結果(錯覚)として記録に残るということです。

なおかつ見逃せないのは、一般的にWEB集客の効果測定は『Analytics』のような無料ツールで計測しますが、「どのサイトから公式サイトに来たのか」「どんなkeywordで公式サイトに来たのか」などの重要データはすべて消滅して得ることができないことです。

■『zebra スマートHP ビルダー』への申込みに適している会場
下記のどちらかに該当する会場だと考えます。

・現状同様、『ゼクシィ』に発注していれば集客は安泰な会場
・現状の『ゼクシィ』に満足できないが、『ゼクシィ』以外に頼るものがない会場

以上

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

なるほどですね。
ちなみにウエディングパークさんも無料でスマホサイト作ってくれるんですがどう思いますか?

株式会社CDM 村田成至 さんのコメント...

遅くなって申し訳ありません。

『Wedding Park』はこれからですよね。『みんなのウェディング』はすでに始めているようです。

どのメディアのサービスであれ、問題としている点は1つです。

検索結果での「PC」「スマホ」の振分け時において、本来公式サイトへ誘導されるべき動線が、「スマホ」を選択した段階で公式サイトではなくメデイアサイトに誘導される点にあります。

結果として、スマホ経由のカップルには公式サイトへ誘導することができなくなってしまうということです。

会場さんが、公式サイトを見てもらうよりも『Wedding Park』を見てもらったほうが良いと判断している場合は別ですが、できるだけ公式サイトを見て欲しいと考えている会場さんには決してオススメできるものではありません。

ご参考いただければ幸いです。