2007年12月19日水曜日

Ⅰ.婚礼業界と婚礼媒体の変遷① | 株式会社CDM

★過去のCDMレポートはこちら→ http://www.wearecdm.jp/report/

1993年5月 『ゼクシィ』創刊以降

-1) 1993年5月以前の状況と課題
 企業体力があり知名度の高い結婚式場が業界をリードした時代です。
 結婚式場の集客手法は婚礼エージェントに頼ることが一般的でしたが、この集客手法はその構造ゆえに少しでも手数料の大きい結婚式場へカップルを誘導したりするなどの問題点が婚礼エージェントにありました。何もかもはじめてのことばかりのカップルの結婚式場探しは、婚礼エージェントの都合が優先されるため、カップルの希望が思うように反映されない状況でした。 婚礼エージェントとの関係作りが当時の結婚式場の重要な営業課題であり、新規参入のハードルはとても高い時代でした。
 また、『ゼクシィ』創刊以前にも『けっこんぴあ』(ぴあ 当時年2回発行)や『結婚式場総カタログ』(双葉社 年1回発行)、『ブライダルノート』(光文社 年2回発行)など結婚式場を探すための婚礼雑誌はありましたが、いずれも月単位(月刊)という短いサイクルで新しい情報をカップルに提供するものではないため、新プランの発表やブライダルフェアの集客というような即時性の必要な告知は困難で、まだまだ日々結婚式場の担当者と接している婚礼エージェントの優位性は高いものでした。

 『ゼクシィ』首都圏版は、「カップルが自分達の意思を元に結婚式場を選択できる世の中を作れば、多くの課題が解決する」という想いをモチベーションに1993年5月に創刊されました。

-2) 『ゼクシィ』創刊で何が変わったか?
 私が考える大きなポイントは以下のとおりです。
①料金比較が容易になった。カップルに相場観が生まれ、結婚式場間の料金競争が生まれた。
②新しい集客販路が確立された。婚礼エージェントに頼らなくても集客が可能になり、レストランウェディングやプロデュース会社など、他業種の参入がはじまった。
③先輩カップルの結婚様式を月刊サイクルで知ることができるようになった。多くのカップルが良いと認めたことは次々と伝播し、仲人を立てないなどこれまでの慣習まで覆されるまでになった。

-3) 産み落とされた市場と媒体
 婚礼業界にプロデュース会社なる業態が生まれ、「レストランウェディング」や「ゲストハウスウェディング」などの新市場が急拡大しました。プロデュース会社を中心に既存の婚礼業界に挑み、次世代市場の扉をこじ開け、レストランウエディングやハウスウエディングなどの1~2バンケをモデルにした中規模新市場が席捲した時代といえます。一方、婚礼媒体では『日経レストランウェディング』(97年11月創刊)、『ゼクシィ パーティウェディング』(00年4月創刊 07年1月を最後に休刊)『レストラン&ゲストハウスウェディング』(01年1月創刊)など結婚式場や結婚様式の多様化にあわて特定の分野に特化した雑誌媒体が創刊されました。

 『ゼクシィ』が考えた「カップルが自分達の意思を元に結婚式場を選択できる世の中」に近づき、多くの新規業態や新規市場が創造されたことで婚礼エージェントという集客販路は衰退し、自治体運営の公共会館や中堅クラス以下のホテルでの婚礼件数は予想以上に激減しました。

0 件のコメント: