2007年12月20日木曜日

Ⅰ.婚礼業界と婚礼媒体の変遷② | 株式会社CDM

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2001年9月 『Wedding Walker』サービス開始以降

-1) 2001年9月以前の状況と課題
 『ゼクシィ』をはじめとする雑誌媒体の登場は、レストランウエディングなどの新しい形態の結婚式場の参入を促ししたことで、広告合戦も加熱していきました。広告主である結婚式場は1Pの広告掲載で15組~20組決まっていたところが、2P掲載の結婚式場の増加とともに1Pでは満足に集客できないと考えるようになりました。広告合戦が進むと、知名度が低く1バンケのため広告の費用効率が悪いレストランや、売り上げ高の小さな挙式会場などの業態が広告合戦から脱却する集客手法を模索し始めました。
 集客(広告)コストが負担になりすぎ、広告掲載が困難になる業態や会場が出始めたことで、カップルの結婚式場選びは、その選択肢が減少するという課題が出てきました。また婚礼業界は再び新規参入が困難な市場に戻りつつありました。
 また当時のWEB媒体では、既に『ゼクシィnet』や『OZ-mall』などが存在していましたが、いずれも本誌(雑誌)に掲載されている内容以上のことを提供するWEB媒体はなく、本誌購読者にとっては魅力の少ないものでした。

 『Wedding Walker』は、「カップルができるだけ多くの会場の中から自分達に相応しい会場を選択できる世の中を作れば、多くの課題が解決する」という想いをモチベーションに2001年9月にサービスが開始されました。

-2) 『Wedding Walker』サービス開始で何が変わったか?
 私が考える大きなポイントは以下のとおりです。
①低コスト集客の実現。既存の婚礼市場には存在しなかった小規模な婚礼ビジネス(ロングテール)の新規参入を促した。
②結婚式場を下見した印象やそこへ申し込んだ理由をカップル自らが不特定多数の同じ課題を持つカップルへ発信できるような新しい告知手法が開発されました。広告主である結婚式場は、雑誌媒体では決して表現できない「スタッフの対応」や「料理の美味しさ」などを第三者の言葉を借りて告知できるようになった。

-3) 産み落とされた市場と媒体
 IPOで資金を集めて全国展開するゲストハウス業態が急成長したり、WEB媒体を利用して集客する小規模市場が成長するなど更に多様化に拍車がかかった時代です。「平日5万円以下挙式場」「写真だけの結婚式」「60名以下収容レストラン」などのヒットはその象徴だと考えます。
 婚礼媒体では『WeddingWalker』以外にも『ゼクシィnet』の「テーマ企画」(02年4月サービス開始)、『ウェディングパーク』(02年4月サービス開始)などのWEB媒体が小規模業態の集客を支えるようになりました。 コストの問題で参画できない多くの新規業態や新規市場が創出され、カップルの結婚式場選びの選択肢に幅ができました。

 『WeddingWalker』が考える「カップルができるだけ多くの結婚式場の中から自分達に相応しい会場を選択できる世の中を作りたい」という当初の目的に近づいたと思います。 逆に小規模市場の成長に伴い既存の婚礼市場のは縮小スピードは加速しました。また、WEB媒体が認知されるに従って婚礼雑誌の販売部数は減少し、雑誌媒体への大量出稿こそ集客の要であるとのそれまでの定石が大きく崩れ始めました。

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