-1) 今の時代に適合した全く新しい小規模事業モデルで新規参入する企業
独立系10万円以下チャペル
特徴)
- 衣装や写真を経営資源に持つ企業が参入
- 首都圏では01年ごろから急増
- 挙式者の約7割はその後の披露宴まで手配し、送客手数料も売り上げ
- 平日と土日祝の実施比率が約5:5~3:7
- 申込みから2ヶ月以内の実施カップルが約7割
- 1社で年間3000組実施の実績を持つ企業も
特徴)
- 衣装、写真を直営で運営している結婚式場が進出
- 挙式から会食プラン、会食プランから通常披露宴へ持ち込む営業技術が必要
- 同エリア内では既存顧客とは全く異質の客層
- プラン発表初年度から約200組(約300万円:広告費)を受注し通常披露宴の組数と変わらなくなった式場も
レストラン内の10万円以下チャペル
特徴)
- 2ヶ月以内、または平日の挙式披露宴に限定してスタート
- 直近と先の平日を埋めることを目的としサービス開始
- 約8割が会食、または披露宴を実施
- 組数では前年比180%~200%(約150~300万円:追加広告費)を実現
特徴)
- スタジオそのものをチャペルやゲストハウス風の内装にして写真を中心に受注
- 挙式をしないのが基本だが、あたかも挙式をしているかのような撮影はある
- 「ロケーションフォト」と言い、公園や海岸、洋館への出張撮影もプラン化
- 海外ウエディングやリゾートウエディングのプランとしても人気
- 先に紹介した10万円以下挙式を運営する企業が、別ブランドで全国展開している
-2) 期待される新しい婚礼広告
今後更に多様化に向かう婚礼業界においてWEB媒体の重要性はますます高くなってきます。WEB媒体を運営母体のタイプ別に考えると以下の通りです。
ポータル型広告(雑誌連動型)
『ゼクシィnet』『BRIDES WEDDING net』『けっこんぴあnet』『OZ-mall』『WEDDING HILLS』
書店を窓口にしたリアル世界への訴求効果は絶大である。ただし、WEB媒体の対象顧客はロングテール。雑誌媒体の対象顧客(広告売上)が足枷になりWEB媒体へのドライブはかかりにくい。
ポータル型広告(WEB専業型)
『WeddingWalker』『WeddingPark』『ぐるなびウエディング』
雑誌媒体が取り込めないロングテールは媒体の切り口次第で無限の可能性を持つ。ただし、リアル世界への訴求方法と対象市場の絞込みが課題。
配信型広告
『AdWords』『Overture』
費用効率が計算できる点では「クリック数」を基準とした「新婚礼エージェント」。現状では数社の企業がたいへん上手に活用している。ただし、今後多くの結婚式場が参画してくるとキーワードの選定や組み合わせに専門的な知識が必要になってくる。雑誌媒体のように投下量を増やすだけでは費用効率は悪くなる可能性も考えられる。
ポータル型はそのサイトのスペースを活用する広告手法。配信型はクリック数を稼ぐ広告手法といえます。
-3) カップルの嗜好という原点から考えるWEB媒体
どのタイプのWEB媒体であってもその機動力(アイデアが具現化するまでの速度とそのリスクの低さ)はたいへん魅力的です。ロングテールとは「100件×3嗜好(=既存の市場)<10件×100嗜好(新しい市場)」が魅力なのですから、小さくて今まで目を向けなかった市場を数多く輩出することが婚礼市場の活性化につながるはずです。うまく掘り起こせば半数が結婚式をしないといわれる首都圏での市場の拡大が期待できると考えます。
仮説例)
海外挙式売上が今後数年で倍増する
その告知手法)
- セレブ気分の「ドバイウエディング」。ピラミッドで愛を誓う「カイロウエディング」
- 結婚式に消極的なカップル対象の「ハネムーン&フォトウエディング」
- 親に白無垢姿を。「出発前・帰国後 和装フォトウエディング」
- 雑誌媒体では困難な「再婚の誓いこそ恋人岬を望むチャペルで」
など、年間数十組を狙えるそれぞれの広告企画での掘り起こし。カップルの嗜好を「海外挙式」という一言に留めるのではなく、更に一歩深い部分の切り口を数多く広告企画にして挑戦していけば大きな可能性を見出すことができるのではないでしょうか。
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